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ネタバレ上等! な感想です。
読んだあと、かなり直感でかきあげていますので、誤読も大量にありそうです。
E01 コロンナ33遅き午餐
これ、20枚で収まってるの?!
ドキドキしながら読み終わって、内容の濃密さに思わずつぶやいた言葉です。
世界観から人物像から、ものすごくしっかりしててめちゃくちゃ読みごたえがありました。
先生と、フェリスタとのやりとり、ワンシーンワンシーンが全部胸にくるんですよね。
「師」と呼ばれるような彼は、身体を張って国を切り開いてきた技師で、胸の内にあふれんばかりの感情を押し込めているんだと、言葉の端々から伝わってくるんです。
フェリスタがそれを精一杯受け止めようとしてるのもわかるんです。
だから、ラストにめちゃくちゃ泣けました。
E02 サクラ散る
一生懸命に「ちょっとした」きっかけを作ろうと頑張る若い初々しさがいいなあと思いました。
素敵な思い出ですよね。
……途中でなんとなく結末というか前提というか、それがわかってしまったんですが。
うー、彼女にとっては一応の気持ちの整理がついたんだとは思うけれども、文句も言えない、送り出すしかない彼はつらいだろうなあ。
泣いてしまいました。
E03 Down Your Way
愛って時には人生を左右する決定打になるんですね。
なにが正しいかを信じる目安に、相手への愛っていうのが最後の決め手になるというか。
それがものすごく伝わってきました。
二人が語る「カン曹長」は直接登場しないので、それこそ彼らの印象の「カン曹長」でしかないけれど、彼らにとってはその姿が「カン曹長」で、愛に人生を捧げる対象になっているのかなあ。
特にレージにとっては、それで悔いのない選択なんだろうと思いました。
世界観というか背景がわからないままに読み終わってしまったのが残念です。
この前提というか、きっかけになった事件の話も読んでみたいです。
E04 地球全週1/40000000と少しの世界
ええと、答えは1メートルですよね。
っというのはおいといて、あまりの妄想爆発に何度も笑ってしまいました。
重ねに重ねられる妄想というか、様式美にさえなっているようなオチの連続。
いっそ、どこまで続くのかが楽しみになりました。
けれど、甘かったです。
様式美に慣れたところでやってきたラスト。
どんでん返しもいいところ、というか、一枚も二枚も上手でした。
参りました。
E05 夏椿の咲く庭
童話調のお話に、ほっこりしながら読みました。
お坊さんてすげー。
その言葉に耳を傾けたお父さん(主人公)もすげー。
惜しむらくは、彼らが何かわからなかったこと。
狸さんか狐さんだとおもうんだけどなあ……。
E06 ただいまセルフィ
作者さんの意図したところと違うかもしれませんが、よんでいてゾゾっとしました。
子供が成長する過程では、自他の差とか不合理とか不条理とか、いろいろ飲み込むことも大切だと思うんですよ。
あきらめるというよりは、自分が生きていて、これから先がっつり組み込まれる世界・社会との折り合いをつけるために。
自分にそっくりな、というか、似すぎているために差異ばかりが目に付く(一拍おいて追いつく、というのがすごくしっくりくる表現でした)存在、それも決して否定しないようプログラムされた存在。
うーん、それがそばにいる怖さばかりを考えてしまいました。
正直私は、セルフィはほしくないです。
E07 花想
ちょ、定良、いろんな意味で反則技かましまくりでしょ!!
櫻が人を魅了するのはわかる。というか、それに虜にされてしまう人間模様って結構好きです。
が、紫桜さんが、マジにどん引きしてるのは気のせいでしょうか。
なんか、小さな男の子をかまったら、予想外の方向へ急成長しちゃったんでしょうねえ。
百年たってもあの調子なら、これからもずっと同じだと思います。
うん、頑張れ、紫桜。
E08 人生に乾杯!
すっきりさっくり、幸せなお話でした。
プロポーズの方法はちょっと回りくどいけど(笑)、ストーリー自体は回りくどくなく、ハッピーエンドに向かって一直線。
タイトルの喜び具合に始まり、最後まで突き進んでくれたお話で、幸せな読了感に浸れました。
E09 回収者
世界観とかがなかなか掴めなかったんですが、アンダーグラウンドな雰囲気はめちゃくちゃ伝わってきました。
そして、非常に怖かったし、正直言って気持ち悪かったです。
コバヤシが向かってる先、向かうべきと思ってる先がなかなか分からなくて、向かう目的もよくわからなかったから余計そう感じたんでしょうか。
世界のほとんどが異常をきたした状況、という中で、「正気」ってそれ自体もやっぱり歪んでいくんだろうか、とか考えてしまいました。
E10 見返り坂道具店
条件を満たさないとたどりつけない不思議な道具店、最初の設定から大好きです。
最初はちょっと行ってみたいなあ、と思いながら読んでいたんですが。
いわくありのお店を、積極的に探さなければならない状況って、要するにその人がかなり「欲」を優先してる状況ですよね。
ノゾミも例に漏れずでしたね。
恋を実らせる手段に、不可思議の力を利用することを考えつく、ついでに怪しさ満点の店を訪ね、商品を購入する段までいくということは、もう、かなりせっぱ詰まって視界が狭くなってるっことな訳で。
大丈夫かなあ、と思っていたら。ラストはある意味やっぱりな展開でした。
さいごの最後、ぞぞっとしました。
E11 幸せの道
王道ラブストーリー@異世界FT編。
こういうの大好きです! 楽しませていただきました!
がむしゃらに突っ走ってくれるとわくわくします。
セロがちゃんと引っ張っていくときには、よし、と思いました。
こういう時は、男は無茶でも強引にいかなきゃねぇ。
手を離すようだと私の中では失格です。
それにしても、ザック隊長の英断、漢っぷりがよかったです。
E12 世界ノ果テノソノ向コウ
科学が進んで、抗争が続く世界。組織に追われる天才技術者。SFチックな展開で楽しんで読みました。
アングラな世界に生きてるのに、仲間を見捨てられない博士がいいなあ。
王道をいくキャラだろうけれど、それが気持ちいいくらいに彼にはまってるというか。
あとは、ジャランが目指していた逃亡場所が本当に「違う世界」だったことに驚いた。
ジャランはある意味で本懐を遂げた形だけれど、博士はどうしたんだろう。
博士のその後が読みたいです。
感想中に本文ネタバレを含んでいます。
また、個人的趣味に走った感想です。
あしからず。
C01 迷い人の道標
悪夢なのか現実なのかわからない出だしに、ホラーかなと予想しながら読み進めていました。
最初のとっかかりで間違えてたのでよけいになんですが、ラストの落ちで一瞬悩み、もう一度読み直しちゃいました。
そして、二度目でようやく理解。
これ、夢がいわゆる異世界につながったってことか!(違ってたらどうしよう……)
つ、続きが非常に気になります。
これから始まる異世界転生(なんですよね?)のお話が読んでみたいです。
C02 峠越え
おおお、逃亡者!
逃げる彼の冷静さとか焦りとか、ドキドキしながら読みました。
いったいどんな理由で追われてるのかと思ったら、一国を敵に回しての逃亡劇に二度驚きました。
彼にとっては師の存在がなによりも重要で優先すべき宝物だったんでしょうね。
敵である一国を滅ぼすために敵国について、たとえ望みが叶ったとしても、彼に救いは訪れないんだろうとおもいます。
それどころか、勝利の後は師と同じような扱いをされるんじゃないかと思います。
だって、裏切りの経験がある軍師(それも優秀)って、正直危険きわまりないですもんね。
うー、でも、彼にとっては復讐以外眼中にないんでしょうね。
どんな生涯を歩むのか、非常に気になります。
C03 来客御礼
「開ける」という行為が異世界への扉になる、というのはある意味王道なネタだな、と思って読んでいました。
いやいやいや、理由それだけかい!!
主人公でなくとも突っ込みどころなのではないでしょうか。
召喚なんてレアな出来事、なんでもいいからもうちょっとせっぱ詰まった用件に使おうよ。
そりゃあね、客商売はお客さんがきてくれてナンボですよ。ついでに売れなきゃ生活がたちゆきませんよ。
でも、すっっっっっっっっごくもったいない気がするんですが!!
発想力に脱帽です。そして笑わせていただきました。
C04 選ぶべき道
右にいくか左にいくかのやりとりで、ああ、そういう発想もあるんだ、と感心しました。
そうだよね、いくら盗人でも知らない道では仕事しにくいよね、とか。
王道なFTだなあ、と読み進めていましたら。
後半に明かされるかなりせっぱつまった状況、それを打破するところでENDですか!
つ、続きが気になる!! むしろ読みたいです!
ところで、イディス、最初に右の道を提示した段階でその先にある森の正体は知ってましたよね。いじわるだなあ。
C05 sai-ai
最初、ホラーかなと思って読んでいたら、ハードボイルドな刑事ものでびっくりしました。
レトロな雰囲気の描写をふくめて、おもしろく読みました。
友情と恋心と仕事と、いろいろ複雑に入り交じった刑事さんの心境は苦しかったんだろうなあ、と思います。
一応の解決をみたことが、彼にとって救いであればいいなあ。
C06 ワン・ラスト・キス
だんだんとしっかりしてくる主人公の変化がすごくかわいかったです。
自分の足で立って生きていかなければならない状況と、彼への恋心、女の子を強くする要素ばかりですもんね。
それにしても、最初不気味だった御者のおじちゃん(あれ、おにいちゃん?)が、後半イイ人で惚れそうです。
無事国境を越えてもしばらくは、楽しい珍道中になりそうだし。
彼がちゃんと合流できたら、たぶん初々しくぎこちない恋模様な二人にやきもきしてしまうんだろうなあ、とか、想像したらニヤケてしまいました。
C07 おばけの道案内
夏らしいお話でした。
お盆に死者が帰ってくるのを、地域ぐるみで迎えようとしてくれる社会っていいなあ、と思いました。
それもちゃんと案内をしてくれる人がいるからできることなんですよね。
後半、希鈴の心からの願望にぐっときました。確かに道案内役のことばではないけれど、恋心ってそんなもんです。
希鈴のおばあちゃんちの人間関係図がわかりにくかったのでちょっと残念でした。
紗枝ちゃんって、ええと、人間だよね?
C08 妖怪変化花火大会
ちょ、その花火大会はどこでやってますか!! どこに行ったら観れますか!!
是非とも参加したいですその花火大会。
頑張っちゃう鬼火たちのテンションが容易に想像できて、すごく微笑ましかった。
久しぶりに羽目をはずしたってことで、お仕置きはすこし大目にみてあてげてほしいなあ、と思います。
C09 この道の終わり
王道FT、息つまる展開に、はらはらしながら読み進めていました。
運命に引き裂かれる悲恋、うああ、泣ける!
わかっていても覆せない、知っていてもその通りに進む確定された未来、こういうのって切ないですよね。
C10 ラブストーリー
途中まで彼の正体に気づかないまま読んでいました。
告白すると、家出後のお迎えあたりまで、違和感がありつつもわかっていなかったアホです。
わかった上で再度読み返したら、腑に落ちる箇所がたくさん。
伏線に気づかないとこうなります。
ラブくんお幸せに!
C11 ある冒険者夫婦の帰郷
もしかして、と思いながら読んでいて、途中で確信に変わった瞬間、そして答えがわかった瞬間、めっちゃ爽快でした。
いやー、惚れたらとことんな旦那さんが格好いいです。
できれば馴れ初めから一大プロポーズまでの物語も読んでみたいですね。
って、世界滅ぶくらいの強さなんですね、奥さん。
夫婦喧嘩したら悪夢再び! になりそうな気がするので、ぜひぜひ円満な家庭でいてください。
C12 八月の空蝉
重いお話でしたね。
そして白状すると、途中でどっちがどっちやらわからなくなって読みなおしてしまいました。
どんでん返しに次ぐどんでん返し、(一度カンニングしに最初に戻ったけど)、短編の中ですっきり収まる落ちに脱帽しました。
特にラストの三段落ち!!
お嬢様、素敵にかっこいいです。
むしろ、続きを読ませてください!
覆面作家企画4Bブロックの感想です。
ネタバレありの超個人的な感想ですので、ご了承ください。
B01 夢追い人の系譜
子供にとって、地図っていうのはそれだけで不思議で楽しい冒険の道具ですよね。
地図を片手に冒険の旅! なんてわくわくします。
特に、自分の身近な人がそれにのめり込んでいたら、興味はつきないものですよね。
地図に祖父の面影と背中を見るバンリも、いずれは誰かに冒険の楽しさを教える人間になるんじゃないかなと思います。
そして、アリアがめちゃくちゃかわいかった!
B02 a Fairy tale, a Fair liar
おばあさんの問わず語りに思い切り引き込まれました。
ある種のシンデレラストーリーですが、結婚したところから思ってもいなかった悲劇が始まるところが特に。
王妃には、人を惹きつけるものすごい魅力があったんでしょうね。最初は意地悪な義母までちゃんと味方になってるし。
個人的には、救出にきてくれた裏切り者の忠臣も、王妃の存在があったから戻ってきたんじゃないかなと思いました。
あと、居眠りして見逃してくれた門番とのやりとりがすさまじくカッコよくて、画面の前で思わずガッツポーズしてました。
なんか、カッコいいうえに凄く逞しいんですよね。
彼女はどんなことがあっても幸せな人生を歩んでいったんだと思いますね、ほんと。
B03 地に下る
恋は盲目というか。
間違っているとわかっていても、このままじゃだめだと思っていても、「恋」という不確かな感情にまかせて突き進んじゃう人生ってあるんだよなあ、と思いました。
たぶん、お互いにわかった上で引き返せない二人なんだと。
でも、それはお互いが存在していることが前提で、死という決別が訪れる覚悟ができているつもりでも、いざそのときになると、全然覚悟なんかできていなかったという。
本当にせっぱ詰まった状況までこないと軌道修正できないくらいにすれ違っていた二人、というのは読んでいて切なくなりました。
本当によかった、玲明が生きていて。
B04 坂を下る
引っ越しという住環境が一転することによって忍び寄ってくる不協和音。
最初は人影、そして声。
ひえええ、こわいよう! と思いながら読んでおりました。
特に、主人公がその家にまつわる過去を調べ始めたあたり。そして、異様な状況にだんだんと追いつめられるあたり。
この家族はどうなってしまうのだろう、とはらはらしました。
そうしたら。
ラストのどんでん返し!
主人公の「嘘」にまんまとミスリードされてました。
……でも、これも十分こわいよー!
B05 暗い道を照らすのは……
うわあ、なんて健気なんだ、きょーくん。
旅人さんに一生懸命呼びかけているあたりで、不覚にもほろりときました。
なんか本当に北極星の伝説みたいなかんじでありそうだなと思いました。
ただ、ひらがなとスペースの文章はちょっと読みにくかったです。
B06 in ruins
禍つ神となってしまったシミュラクラを敵と狙うケディッドの真剣さと裏腹に、それが空回りしてしまう状況に、どこかもの悲しさとか空しさが募るストーリーでした。
「神」とか「宗教」を造った昔の人たちは当然知っていた裏事情が消え、いつしか表向きのアピールが絶対的な信仰へと変化してしまう。
このお話の場合、造られた「神」のプログラムも含めてぞっとする怖さがありました。
神話の背景を知って、生き残ることを選んだケディッドのこれからを読んでみたいです。
B07 俺は不良
ちょっ……!!
最初から鷲掴みにされるような展開!
携帯で読んでたんですが、吹き出すわニヤケるわ、笑ってしまうわ、非常に怪しい人と化してしまいましたよ!!
なんだこの、「不良として」の道に外れまくった優等生くんは(あ、言っちゃった)!
子猫拾っても言い訳しない! ちゃんと授業をさぼる!
ていうか、遅刻ぎりぎりは遅刻違う! 宿題も予習復習もやらないよー!!
たぶんみんなが暖かく見守ってくれてたんですよね。「それ、不良違う」という突っ込みを暗黙の了解で飲み込んでくれるくらいには。
本当に笑わせてもらいました。
A08 分岐エゴイズム
青春だからこその友情と恋慕の葛藤、共感と歯がゆさを思い出しました。
どちらを選ぶか、なんて10代には結構キツイ条件ですよね。
いったん踏み出しちゃったら二度と元の関係にはもどれない。恋なり友情なり、選んだ方が望み通りにいくならまだしも、相手がそれに乗ってくれなかったら、すべてが崩れさってしまう。
特に学校とか人間関係がその中で閉じちゃってますしね。
うー、こういう経験が人を大人にする、とかきれいな言葉でまとめるには、きっつい展開だったなあと思いました。
せめて、彼のこの先の出会いがよいものでありますように。
A09 我往此道
って、どこに行くのよこの子は!
読みながらつっこむこと数度。
青春特有の暴走にしては、後遺症というか、後年振り返って身もだえする要素がてんこ盛りな感じのお話でしたね。
いや、何事にも極意っていうものはあるだろうし、道を極めるのはそれなりの困難を伴うものではあると思うけれども。
なんかちがうだろー、とつっこまずには居られませんでした。
身近なところに達人がいるからってあきらめるのかと、ちょっと説教したくもなったり。
オチに向かう勢いとおもしろさはとても楽しかったです。
A10 夢の中、水の彼方、道の果て
出だしの描写から王道ファンタジーなのかな、というのが第一印象でした。
穴堀り屋、と呼ばれているということは考古学者さんなのでしょうか。どっちかというと現場の発掘担当の人みたいですが。
夢の中で出会う門番との会話は、それが夢物語の幻想のようで、すごく不思議な感じがしていました。
と思ったら、ラストでああやっぱり、と。
約束守る穴掘り屋も、ちゃんと待っちゃう(文句付きだけど)もめちゃくちゃ好きです。
B11 本とキム子とスイカバー
ノスタルジー漂う夏休み! こういうの好きです。
子供は子供なりに、子供らしい裁量でいろいろ葛藤してるものなんですよねー。
とくに、ローティーンは女の子の方が早くませるから、同年代の男の子としては置いてきぼりにされたような疎外感もあるんでしょうね。
わざとじゃんけんに負けるキム子の心境が、他人の目から見た描写でも鮮やかに伝わってきました。
子供にとっては、町の外から来た子は異邦人と同等の特滅扱いにもなりますしね。
うん、あれだ、頑張れ少年。
A12 光の道標
すごくきれいなお話でした。
硝子の世界である光と、それを彩る手作りの万華鏡と、青年の想い。
おもわずうるっときてしまいました。
彼らはずっとこんな風に寄り添って生きていくんだな、と、幸せになりました。
覆面作家企画4 Aブロックの感想です。
ネタバレ上等、個人的趣味に走りまくっております。
ついでに、暴走して迷走した深読みもあります。
あしからずご了承くださいませ。。
A01 締切直前における特定の覆面作家企画4参加希望者の漸近線的記録あるいはマグネシウム燃焼時的アイデア
タイトルのインパクトにまず脱帽。
正直その発想はありませんでした。
そして、作品内で語られる締め切り間際の葛藤と、溢れはするけどまとまらないネタの数々!
それ、20枚以内に入りますか、って突っ込みいれたくなるほどリアリティに溢れてました。
切羽詰ってるときにこそやりたくなるんですよね、こういうの。
冷静で的確なな突っ込み入れる友人さんが、とってもツボでした。
A02 □□■□□ □□□■□
なんて読むんだろう、このタイトル。
後半。アスとビンガのやりとり、ビンガの方が人間らしいなあと思いつつ、よく考えたらビンガは「マァム」に繋がってるんですよね。
てことは、アスの感情教育とかの方針から外れたコトは言わないわけだ。
ビンガのセリフもリアクションもすべて目的を持ったプログラムの一種なのかなと思ったら、ちょっと怖くなりました。
A03 アガトの巡礼
戦火を逃れて宗教に救いを求める人の群が、切実なだけに怖いなあと思いました。
しゃべることのできない少年が旅の途中で出会った人の思いをついでたどり着いた聖地に、本当の救いも安らぎもないのはつらいですね。
「本当の世界」に逃げ込むんじゃなくて、自分の足で生きていく決意をした彼に幸あれと思います。
A04 クロランドの流れ矢
まさに恋いの矢に射ぬかれたお話ですね。
本人たちの意志よりも、ちゃっかり計算付くで乗り気なお父さんがおもしろかったです。ていうか、観察力・洞察力ともに凄すぎですよお父さん!
これで本人同士がなんとも思ってなければもう一悶着起きたのかなとも思いますが、二人ともまんざらではなく。
すっきりハッピーエンドの幸せな読了感でした。
ただ、もうちょっと、二人の距離が近づいていくシーンがあればと物足りなかったり。
A05 狼は邪心を知る
前半の静かで不気味な状況描写と、後半の大学シーンのギャップがあまりにも激しすぎて、大学のシーンになったとたんに一度集中力が途切れました。
どちらかというと、あれ、ここはどこ? と、思いっきり置いてけぼりくらった感じで。
そこにきてラストの大オチ。
鳥肌たちましたよ、こわかったー!!
ていうか、違和感持とうよ学生二人。
個人的に残念なところは、首を持つ大蛇のしっぽという映像がどうも浮かばなかったこと。
あと、タイトルと内容のつながりが見つけられないこと。
A06 たとえ何があっても
孤高の天才と、それに惹かれる参謀役、めちゃくちゃ好物な設定にテンションが跳ね上がりました。
クェスの剛直球な口説き文句と、あえて聞き返して撃沈しちゃう主人公が大好きです。
クェスの口説き文句は計算ずくなんでしょうねえ。
天然での台詞だとしたら空恐ろしいですよ!
将来にわたって、いかにクェスをうまく世渡りさせるかについて苦労を重ねる主人公が目に浮かびます。
彼らの40代くらいの壮年期の話を呼んでみたいです。
A07 ドM道
そうですか、これ名詞系なんですね。
ミッチーのインパクトありすぎなキャラに笑いました。
が、遭遇したら逃げます、確実に。
どうせM道進むなら、放置プレイにマジ泣きせず喜々として受け入れてほしいなあ。でもそこまで極められるとキショク悪いですよね。
ラストのクロードの思考、結構ずっしり堪えました。
A08 大都会の秘密基地
日記調?な文章で進むお話でした。
入り込んでしまった秘密基地が下水処理施設、とか、そこのおじさんが楽しそうに見学会アピールとか、現在の都会での秘密基地探検ってこういう感じなのかなあと思いました。
いわゆる「秘密基地」らしくない場所が子供にとっては秘密基地っていうのもいいですね。
いや、そういう関係の場所だったら大人でもわくわくする人多いのかなー。
ちょっと文章がとっつきにくかったのが残念です。
A09 空の果て、あの道に
病室? のような場所から始まる淡々とした寒々しさが、後半にいくにつれて悲しさを増していくような気がしました。
前半最後の「いってきます」の台詞が、最後にいくにつれて重く感じられました。
レンが登った階段は、どこへ続くのだろう。
願わくば、彼女にとって救いのある場所へありますように。
A10 月のゆりかご
旅の果てに、子供のころ住んでいた町にたどりついた男と、町の中でずっと生きてきた女が、ある日再び巡り会う。
ノスタルジックな雰囲気が漂う作品だなあ、と思って読んでいました。ら、全然違ったんですよこれが!
ノスタルジーどころか、テクノロジーを突き抜けた先にある世界のお話でした。
彼らが「人間」である証は、ほんのちょっとの肉体と、記憶、そして感情だけ。
これ、ほんのちょっとの「肉体」のかけらがなかったら、人間はもっと早く滅んでいたのかなと思います。
いくら記憶と感情があっても、鉄の身体だけでは人間は生きていけない気がします。
人間てほら、疑うことを知ってるから。
でも、それでも生き抜いて、ちゃっかり次世代を創り出しちゃうところも人間のしぶとさだよなと思いました。
A11 かえりみち
夏、とくにちょうどお盆に読むと、心にすとんとくるお話だと思います。
ヒロの、瑞希への愛情というか恋心というか、それは本人が自覚していた以上に強かったんじゃないかなと思います。
だって、いくら幼なじみの隣人でも、死んだ人間が見えて、あまつさえ話しかけてきたときのリアクションとしては、ものすごく寛容ですよね。
瑞希は最初、自分が死んでることを知らないんじゃないかと思ってたんですが、その辺わかった上であの言動は、それはそれで悲しさを増してると思います。
彼女も本当にヒロが好きなんだなあと。
ラストのやりとりは、とても救いがあると思いました。
「不良息子」のくだりには吹きました。
A12 もんどう
問答、でしょうか。
最初のひらがなの連続におののきつつ、結構ムキになって読みました。
でも、読めない! ひらがなって手強かった!
だんだんと種明かしされるのが悔しくて、最初に戻って読んでみたり。
兵法って読み込むと楽しいもんですね。